BC は「ベースカーブ」と読み、レンズの内側の弧度(カーブの丸みの強さ)を指します。カラコンの場合、度数と違って商品の中にバリエーションがないことが多いため優先順位の中でも低くなりがちですが、実は着感、瞳への負担などの点でとても重要な要素です。瞳のカーブは人によってそれぞれ違います。合わないものをつけていると瞳に定着せず、ゴロゴロしたり、ズレたり、特定の部分に負担がかかってしまったりしてダイレクトに傷や眼病などトラブルの原因になってしまうので必ず自分のカーブに合ったものを装着するようにしましょう。
初心者さんに必要な知識をミニマムにお届け!
エクストリーム★カラコン入門 カラコンの選び方編
カラーコンタクトを初めて買う人も、買ったことはあるけど詳しいことはよくわからないという人も、とにかくカラコンを使う人すべてに知っていただきたい基本のきだけを選抜&まとめてご紹介! 正しい知識と使い方で美しい瞳と快適なカラコンライフを送りましょう♥
ATTENTION
安全に使用するためには
眼科の受診が大切です!!!
カラコンを含め、コンタクトレンズは「高度管理医療機器」にあたるので、眼科医による検査、診察、取り扱い指導を受けることでより安全に使用することができます。眼科では、コンタクトレンズの装用に必要な情報=度数やBC(ベースカーブ)を測定したり、眼病や傷、アレルギーの有無などコンタクトレンズが適応するかどうかなどをチェックしてもらいます。また、初めてコンタクトを購入する場合はコンタクトを扱う場合の注意点などもレクチャーしてもらえます。
ABOUT / DIA・着色直径
サイズに関するカラコン用語
DIA と着色直径を把握しよう
○ DIA =クリア部分も含むカラコン全体の直径サイズ
DIA は「ダイヤ」と読み、直径を表すDiameter の略です。世間的に「15mm のカラコンで盛りたい」などといった言い方がはびこっていた時期があったこともありこの数字が着色サイズだと思われがちですが、DIA は透明部分も含めたレンズのサイズを指します。
< DIA 選びの目安>
現在カラコンで主流になっているのは「DIA14.2mm」のもの。「ナチュラルだけどちょっと盛れる」という絶妙なあんばいが人気。さらに、DIA14.5mm が売れ筋のDIA で、黒目のサイズをしっかりと大きく出来ることから「しっかり盛れる」ということで人気を集めています。初心者さんはまずクリアレンズと同じくらいのサイズ「DIA14.0」、「DIA14.2mm」のものから始めるのがおすすめです。
※ DIA が大きくなるとその分角膜を覆う面積が増え、瞳が酸素を取り込むのを阻害してしまうため、大きめのレンズを選ぶ際は酸素透過率の高い商品を選ぶ、装用時間を短くするなどできるだけ負担を減らす工夫をしましょう。
○着色直径=レンズの中の色がついている部分の直径サイズ
着色直径はレンズの中で色がついている部分の直径サイズを指し、0.1mm 刻みで12.5mm ~ 14.6mm くらいが主流。だいたい 13.2mm のものから黒目が大きくなったという印象が得られるようになります。同じ商品でもカラバリによって差があったりします。また、商品によっては着色直径の表記がない場合もあるので、DIA よりもだいたい0.5 〜1mmほど小さいと覚えておくと選ぶときの目安になります。
<着色直径の目安>
○できるだけ自然に見せたい人:自分の黒目に近いサイズを選ぶ
着色部分に白目が透けて着けている感が強くなるのでサイズが近いほうがより自然です。13.0mm 以下のものを選ぶのがおすすめ。また、同じ着色直径でもフチがグラデになっているタイプのほうが小さく見える傾向があるので13.2mm 以上など大きく見せるレンズの中でもグラデデザインのものを選ぶとより自然に見せられます。
○カラコンできちんと盛って結果を出したい人:瞳の黄金比率を目指して選ぶ
「白目:黒目:白目」の比率を黄金比率と言われている「1:2:1」に近づけるようにして選びます。黒目のサイズだけでなく目の横幅(白目ではなく目頭から目尻まで)も測り、目の横幅の1/2 のサイズを基準にしましょう。日本人の平均が「1:1.5:1」なので黒目よりも少し大きめのサイズがちょうどいいあんばいになります。目が大きいのに黒目が小さいという人はこの比率を参考にカラコンを選ぶと格段に印象が変わったりするのでぜひ参考にしてみてください。
○小粒目の人、または目の開きが大きい自覚がある人:目の開き方に合わせて選ぶ
小粒目の人が着色直径の大きいものを選ぶと黒目が大きすぎて不自然になってしまうので、13.0mm以下のものから選ぶと自然な仕上がりになります。逆に、カラコンをしても三白眼になってしまうなど、目の開きが大きい人は13.5mm 以上など着色直径が大きめのものを選ぶと良いでしょう。
★ QUEEN EYES ではDIA、着色直径から検索してカラコンを探すことができるので、
自分の瞳に合わせたサイズにこだわって探すときに便利!
★自分の瞳のサイズの測り方★
定規を目の下に当ててスマホのインカメラで自撮りし、撮った画像をトリミングして定規の目盛りを数えるやり方が簡単です。撮影するときは定規を目に対して並行に、前後に距離ができないようにしっかり皮膚に密着させて持ち、撮影時は黒目がカメラのレンズに対して正面になるようにして撮影しましょう。シャッターをタップするときにブレる人は、タイマーで撮るのもおすすめ。
目の横幅は、目頭から目尻までを計測!
目と距離ができないよう定規はグッと押し付けて
編集機能のトリミングで必要な部分を切り取ると、
線を引かなくても目盛りが読めるのでより簡単!
ABOUT / BC
フィット感の要はこれだった!
BC(ベースカーブ)を意識して!
BC は「ベースカーブ」と読み、レンズの内側の弧度(カーブの丸みの強さ)を指します。カラコンの場合、度数と違って商品の中にバリエーションがないことが多いため優先順位の中でも低くなりがちですが、実は着感、瞳への負担などの点でとても重要な要素です。瞳のカーブは人によってそれぞれ違います。合わないものをつけていると瞳に定着せず、ゴロゴロしたり、ズレたり、特定の部分に負担がかかってしまったりしてダイレクトに傷や眼病などトラブルの原因になってしまうので必ず自分のカーブに合ったものを装着するようにしましょう。
BC が合わないと具体的にどうなるの?
異物感を覚えたり、ずれるなどの様々なトラブルが起こりますが、眼球の上で物理的にこういうことが起きるというのをわかりやすく図にしました。異物感の理由がよくわかります。
どこで測るの?
眼科で測ってもらいます。一本道の奥に浮かぶ気球などを覗く「レフケラトメーター」という機械を使う、といえば大体の人が「ああ、アレか!」となるのではないでしょうか。実際に数値で算出されるのは眼のカーブの曲率で、それにフィットするコンタクトのBC を処方せんに記載してもらいます。
BC の測定方法
レフケラトメーターを使って眼球の縦のカーブと横のカーブの中間値を基準に角膜の曲率半径を算出。
「角膜の曲率半径+ 0.8 〜1.0mm」がBC のサイズになります。
例:中間値(角膜の曲率半径)が7.7mm の人の場合、許容値±0.3mm を含めてBC8.5 〜8.7 が適合サイズとなります。
※あくまでこれは参考値であり個人差があります。ジャストでないものを装着して違和感が出た場合はすぐに眼科に相談しましょう。
角膜の曲率半径とBC の許容値
---------- 平均値より小さい
7.5mm BC8.3 〜8.5
-------BC8.6 の許容値------
7.6mm BC8.4 〜8.6
-------BC8.6、8.7 の許容値
7.7mm BC8.5 〜8.7
7.8mm BC8.6 〜8.8
-------BC8.7 の許容値------
7.9mm BC8.7 〜8.9
---------- 平均値より大きい
8.0mm BC8.8 〜9.0
8.1mm BC8.9 〜9.1
角膜の曲率半径が平均値より小さい OR 大きい!
日本で販売されているカラコンは概ねBC8.5 〜8.9 なので、その中で許容範囲に収まるものを購入するようにしましょう。「それだと可愛いカラコンないんじゃない!?」と思った人も、BC8.5 ならエンジェルカラー バンビシリーズ、ラヴェール、アコルデなど、BC8.9 ならラルムシリーズ、ラヴェール、ピエナージュ、ルミアなどBC にもバリエがある可愛い人気カラコンがあるのでご安心を!
カラコンを快適に使用するために
快適に装用するためのカギはこれ!
含水率にも着目を!
「ソフトコンタクトレンズがどれだけ水分を含んでいるか」を表すのが含水率。50%以下が低含水コンタクトレンズ、50%以上が高含水コンタクトレンズと呼ばれます。ちなみに、ハードコンタクトレンズにはそもそも水が含まれていないのでこの数値はありません。
低含水、高含水と言われてしまうと「高いものがいいのね!」と思ってしまいがちですが実は吸い上げる水分が多くなるほど目の水分= を奪ってしまうというデメリットがあるため、含水率が高ければいいというものでもありません。このため、自分の涙の量や使用する状況・環境によって選び分けることが快適に使いこなすポイントとなってくるのです。
○高含水レンズのメリットとデメリット
→涙の量が多い人、目薬を定期的に使用できる状況、長時間装用しない場合などに向いています
○低含水レンズのメリットとデメリット
→涙の量が少ない人、長時間の装用をしなければならない場合などに向いています
現在ではコンタクトレンズの技術が向上し、高含水タイプでも水分を奪いづらい素材のものや、保湿機能(モイスト成分)が備わったものなどが販売されています。ですので、今後は各商品の情報の中で「含水率」や「水分保持に関する技術」がどのように謳われているかというのも選ぶ基準に入れてみるといいでしょう。
★豆知識:酸素透過率って何?★
角膜は呼吸をしており、酸素が止まった状態が続いてしまうと傷がつきやすくなったり感染症を引き起こしやすくなるためコンタクトレンズによって覆ってしまう部分にも酸素を届ける必要があります。その機能を表すのが酸素透過に関する数値です。
コンタクトレンズがどのくらい酸素を透過させるかという数値を下記のように表します。
・酸素透過係数(DK 値)=レンズの素材そのものが「どれだけの酸素を通すか」を数値化したもの
・酸素透過率(DK/L 値)= DK 値に対しレンズの厚みを計算に加えて「酸素をどれだけ眼球に届けるか」 を数値化したもの
これらの数値は高ければ高いほど瞳に酸素をたくさん送り届けることができます。
かつてはハードコンタクトレンズにおいて高いと言われていた機能ですが、今ではソフトコンタクトレンズやカラコンにもしっかりと備わっている機能です。
ただ、DIA(レンズのサイズ)が大きくなるほどに覆われる面が多くなるため、DIA が極端に大きなレンズは瞳に負担をかけ、相応のケアが必要になるという原理だけ参考までに覚えておきましょう。
カラコンを安全に使用するために
高度管理医療機器承認のカラコンを買おう!
2009 年の法改正でカラコンは雑貨ではなく高度管理医療機器として取り扱われるようになりました。また、高度管理医療機器のレベルの中でもクラスⅢで歯科インプラントなどに匹敵し、不具合を起こした場合に人体へ及ぶリスクの比較的高い製品として安全基準をクリアしたもののみ販売ができることになっています。日本で販売されているものは「高度管理医療機器承認番号」が振られているので、購入の際には必ずこの番号を確認するようにしましょう。承認番号の国内商品と海外商品の差として、BZ 〜に続くアルファベットがX= 日本、G= 海外のものというのが見分ける基準になります。
日本の製品の承認番号
海外の製品の承認番号
高度管理医療機器として承認されていないカラコンって?
海外のカラコンにも承認番号が割り振られていますが、海外の通販サイトで出回っているものの中には承認を得ていないカラコンも多く存在します。承認番号が割り振られていないものは安全性を考慮して購入しないようにしましょう。また、海外にも独自の承認機関があり、韓国の場合は「KFDA」、アメリカの場合は「FDA」という機関が各国の承認基準で認定していますが、日本とは高度管理医療機器としてのの承認基準が異なるため、必ずしも安全ということでありません。安全性を考慮するなら日本の高度管理医療機器承認番号(BZX表記もしくはBZG表記)のある商品を購入するようにしてください。
安全性の保証されていないカラコンを使うとどのようなトラブルが起こる?
具体的にどのようなトラブルが起こるか、代表的なリスクはこちら
当てはまったら眼科に相談!
カラコンを使うことができない OR 難しいケース
初めてコンタクトを購入するときはもちろん、使っている中で目の調子や生活環境に変化があり、装用に違和感を感じる場合は眼科で相談するようにしましょう!
まとめ
ついに手に入ったカラコン。続いての記事では、実際にカラコンを使うために必要な知識についてレクチャー。「エクストリーム★カラコン入門 カラコンの使い方とケア」に続きます!